=2011/11/04付 西日本新聞朝刊=
福島第1原発2号機で自然界には存在しない放射性物質キセノン133、135が検出された。東京電力は3日、2号機内で「自発核分裂」という小規模な核分裂反応が起きているものの、「臨界」には至っていないと発表した。
この発表をどう受け止めるべきか。その通りだとしても、多くの国民はすんなり胸をなで下ろせないのではないか。
東電が「2号機の原子炉格納容器内の気体にキセノンらしいものが検出された」と公表したのは、2日未明である。
その後、経済産業省原子力安全・保安院は、東電がその物質をキセノンと断定したと発表した。細野豪志原発事故担当相は「小規模な核分裂はあったが、再度の臨界ではない」と発言し、原子炉の冷温停止を目標にした工程表「ステップ2」の年内終了に影響はないとした。
確かに原子炉の温度や圧力は安定しており、東電や政府の言う通り、事態を深刻に考える必要はないのであろう。福島原発周辺にも異常はないという。
だが、気掛かりだ。キセノンは核燃料が核分裂して発生する。キセノンの半減期(放射線を出す量が半分になる期間)は133で約5日、135で約9時間と短い。ゆえに、それが検出されたのならば3月の事故当時のものではなく、ごく最近、核分裂が起きたことになる。
私たちは「あの時」のことを鮮明に覚えている。政府や東電は福島原発の事故当時、核燃料の溶融はあったが大半の核燃料が溶け出す「メルトダウン」は起きていないと言い張った。ところが、実際にはメルトダウンは起きていた。
さらに分かりやすい事例がある。原発事故の深刻度を示す国際評価尺度(INES)だ。最初は「レベル4」だった。それが「レベル5」になり、1カ月後にはついに「レベル7」になったのだ。旧ソ連で起きたチェルノブイリ事故と並ぶ史上最悪の事故という評価である。
要するに、政府や東電には事態を過小評価する傾向があったのは否めない。隠蔽(いんぺい)体質と言っていいかもしれない。今回は、そうしたことはないだろうか。多くの国民が持っている懸念である。
あらためてはっきりしたのは、東電も政府も問題の原子炉内がどうなっているか、十全にはつかんでいないということだ。裏返せば、いまだに原子炉内を完全に制御できていないことを露呈した。
同様のことは2号機以外の原発にもいえる。「年内には冷温停止を」と前のめりにならず、事態をしっかり見据えて、監視と原因究明をすべきだろう。
政府は9月末に福島県内5市町村の緊急時避難準備区域を指定解除した。居住に問題はないという。一部の住民は帰宅したが、多くの人は帰ることができないでいる。なぜか。不安だからだ。
一度失った信頼は、なかなか回復しないのである。政府と東電は今回のキセノン検出について誠実な情報提供を続け、信頼回復への一歩とすべきだ。
まさしく・・・・・後で 「本当は・・再臨界してました」と 言うんじゃないだろうな・・・倒電
本当は、
本当は・・「夜中に 煙だけでしたが・・・・してました」 なんて
言うなヨ~
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